チャナンとは?
チャナン(Canang)はバリヒンドゥー教のお供え物の一つで、ヤシやバナナの葉で作られた小さな器に、美しい色彩の花びらなどが入っています。
バリヒンドゥー教は「お供え物の宗教」ともいわれ、お供え物のことを「バンタン」とよび、儀礼や場所、目的などによって何種類かのバンタンがあります。
チャナンは毎日のお祈りのために各家庭で作られるバンタンで、空港や道など、バリ島のいたる所で目にします。バリヒンドゥー教では、神様があらゆる場所に宿っていると考えられているため、屋敷寺や部屋にある「プランキラン(神棚のようなもの)」をはじめ、ガスコンロや洗濯機、バイクなどの乗り物と、あらゆる物にチャナンをお供えします。
チャナンの材料は市場などに売られていて、器につかう葉とそえる花びらほかに、草を細長くした「パンダン」や「ポロサン」が必要になります。
ポロサンはヒンドゥー教の神様をあらわしており、「シリーの葉」「石灰」「小さく刻んだ果物」を木の葉で包んだもので、チャナンの要となっています。
各家庭で作られているチャナンですが、大きい家だと数十カ所にお供えをするそうで、近年は完成したバンタンも売っています。見た目も美しく、形やそえられている花びらもそれぞれです。少し気にかけてバリ島を歩けば、新しい発見があるかもしれません。