サンヒャン・ドゥダリとは?
サンヒャン・ドゥダリはバリの儀式で行われる踊りで、バリ舞踊でも踊られることがありますが、それは観光向けに行われているもの。実際には舞踊というよりも宗教儀式的な要素が強い踊りです。
サンヒャンは「神聖」、ドゥダリは「天使」という意味があります。神聖な天使の踊りということになりますが、意識を失くした小さな女の子の体に、神が憑依するという憑依舞踊です。
この舞踊は村に何か悪いことが起きた時に、悪の元凶を追い払うための儀式で踊られる舞踊です。神様が憑依した女の子が舞踊を舞うことで、その周辺を浄化するという目的があります。
実際にサンヒャン・ドゥダリが行われるときには、霊感のある少女が選ばれ、その少女は香木の煙が充満した寺院の中に何週間かいるように言われます。それは神様が降臨されても良いように、自分の体を清める期間であり、スムーズに催眠状態に入れるようにするための期間でもあります。
サンヒャン・ドゥダリの儀式では、少女たちは催眠状態に陥って、目を瞑ったままでも正確な踊りを踊ることができるのだそうです。踊りが終わると少女たちは突然倒れ込み、目が醒めた時にはサンヒャン・ドゥダリに関する記憶は全くないのだそうです。
不思議で信じ難い話ですが、これが今でも実際にバリ・ヒンドゥー教の儀式として行われているサンヒャン・ドゥダリです。