イドゥルアドハ(犠牲祭)
イドゥルアドハ(犠牲祭)とはイスラム教の宗教行事で、アブラハムがアッラーへの犠牲として息子を差し出したことに由来する祝日です。イスラム教徒が行う巡礼の日の最終日にあたります。
イドゥルアドハ(犠牲祭)が行われる日は太陰暦であるイスラム暦を基準にしているので、太陽暦である日本の暦で考えると毎年日付が変わります。
イドゥルアドハ(犠牲祭)ではイスラム教徒が正装をしてムスクに集合します。牛やヤギといった家畜が生贄として捧げられ、たくさん集まる見物人が見守る中、男性陣はアッラーの名を唱えながらその家畜を屠殺します。屠殺された肉は参加者に分けられて、その肉を食べることが重要とされる行事です。
この用意される家畜はお金を持っている家から寄付されるものですが、切り分けられた肉は寄付ができない貧しい家庭にも平等に分け与えられます。これはイスラム教の教典であるコーランの教えによる考え方です。
インドネシアではほとんどの国民がイスラム教徒であり、バリ・ヒンドゥーが盛んなバリでもこの日は祝日として定められています。日本人にとっては動物を屠殺する光景はショッキングなものですが、動物の命を奪って生きている以上、一度は体験しておきたい行事です。